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絵を見て我が身を振り返る

2022年11月5日にコルクスタジオフェスというイベントがありまして、それに際し3年前と1年前の絵を引っ張り出して変化を振り返ろうという話が編集さんからあったので、ちょっくらやってみようと思います。

しかしひとつ懸念があり、わたしは自分の年齢もしっかり認識しておらず、転職活動していた頃、履歴書で無意識にサバを読んでしまっていたこともしばしばあるくらいなので、ちょっと曖昧なところがあるかもしれませんが大目に見てください。

3年前(もしかしたら5年)くらい前の作品:どうせならちょっと違うものを


2話まで描いて完成してないです。すみません。
作品名は「歪(いびつ)のメメント」といいます。当時、20代の遺書のようなつもりで作品制作に臨んだものです。こちらから読めるので気になった方はぜひチラリと読んでやってください。

画材は木炭を使いました。木炭を砕いて筆で塗ったり、鋭利な部分で細かいところを描いたり試行錯誤をしながら毎日日が昇ってから暮れるまで黙々と描いてました。形も思ったように取れずに苦戦していますね。

つけペンで描くのでも良かったんですけど、それだと先人たちがすでに追求した道の真後ろを歩くことになりますし、どうせ描くならなんかちょっと雰囲気の違うマンガを自分で見てみたかったからです。
仕事もない時期で、まったくお金はなかったですけど、毎日楽しくて充実していたのを覚えています。
このどうせ描くならちょっと違うものをという気持ちはいまWEBTOONやチーム制作をやってみていることに繋がっている気もします。

とあるイベントで編集者の佐渡島さんにこのマンガを見ていただく機会があり、それからあれよあれよとコルクに関わって行くことになるきっかけのマンガです。
いつかいっぱしのマンガ家になったらしっかり仕上げたいと思っているくらい自分にとっては大切な作品です。

1年前〜現在:カラーリング漬けの1年

お化けと風鈴第1話 : 2021年8月あたりに作画したものらしいです。
塗り方も色の選び方もよく分からずとにかくがむしゃらに塗ってた期のものです。
お化けと風鈴73話:2022年10月に作画したもの。
手前味噌ですがだいぶお化け然としてきたように思います。
おまけ:2022年のバナーイラスト。
怖すぎるとお蔵入りになってしまったのですが勿体無いのでここに載せておきます。
血の表現とかお気に入りです。

1年前から現在まではオリジナルのマンガではなく、チーム制作で「お化けと風鈴」という作品のカラーリングの仕事を中心に活動している期間です。
カラーに集中している分1年前と現在の変化は自分的には著しいと感じています。
もともと色とかは興味がないというか、それよか物語をつくりたいと思っていたので一から勉強していくことになりました。
良さそうな本を片っ端から読んだり、イラストレーターのyoutubeを繰り返し見たり、アニメの制作過程を調べてみたり。
そして自分の至らないところを見つけるたびに付箋に書き机の前の壁に貼る。
あまりの付箋の多さに途方にくれるんですが、そこは見ないふりをします。
原稿に挑む際に、そこから原稿内容で解消できそうな課題を3つ選び実践するを繰り返し、ちょっとでもよくしていこうとあれこれ実験してやっている生活です。
まだまだやりたいなと思っていることがあるので、そんな変化も感じながらマンガを楽しんでいただけたら嬉しいです。
こちらから読めます→👻

絵柄の変化について

この一年の自分自身の絵柄の変化でいうと、けんいちさんのMVで描かせていただいてるイラストがわかりやすいかもしれません。
歪のメメントで絵も話もマイナーだから読んでもらうことが難しいというフィードバックをもらって以降、なるべくみんなに読んでもらえるようなものにしたいと試行錯誤の旅が始まりました。
いままさにその途中段階と言えます。
自分のイメージする物語と、絵柄と、抱えているテーマ性が美意識のもとしっかりしたバランスを持って表現できるように目指しているところです。
これからもどんどこ変化させる所存です。

MVも素敵なのでよかったら聴いてみてくださいませ。


これから

いまチーム制作をしながら自分の表現を見つめています。
チーム制作をやってみて楽しいところは、
・打ち合わせが盛り上がる
・他の作家の考え方に触れる機会が多い
・部分的なトライアンドエラーに集中できる
・多数の視点が作品に入る
とか他にもいろいろあります。
しかし正直それだけではいつまでも渇いている部分があります。
きっとそれだけでは自分は満足しないんでしょう。
いまその楽しさと渇きが自分の中で綱引きをしている状態です。
これは嬉しい悩みとも苦しい悩みとも言えます。
引き裂かれないためにもチーム制作と個人制作、この2輪を交互にでも回していくことが必要不可欠と思っているのですが、それがなかなかできずいるので目下の課題となっています。
チーム制作で学んだことを個人制作に、個人制作で培ったものをチーム制作に。
そんな風にいろんな風を受けてしばらくは進んでみたい。
そんな気分です。

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これは独り言なんですが、いい椅子を買いたいです。