君のキャッチコピーは何だ
「自分にキャッチコピーをつけてみなよ」
唐突に言われて困惑する。
うーん…と考えたけどあまり出てこない。
その問いに消化不良のまま話が終わってしまって頭に残っていた。
これはあれだ。
要するにマンガ家である自分にとってマンガという表現がどういうものかをわかってないということだろう。
マンガは裾野が広いからいろんな魅力がある。でもその中で自分が漫画をどう捉えているかに関して曖昧だった。
自分にとってマンガとは何か?
充実した暇つぶし、異なった視点をもらえるもの、描くときには自分のセラピー的な効果もあるかもしれない。
でもどれもそうなんだけどキャッチコピーかと言われるとしっくりこない。
感覚的には乗り物みたいなものがイメージに合う。
ふとジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』の大砲とか『不可能を通る旅』に出てきたオートマブロフという乗り物を思い出した。
見たことない世界に人を連れて行くというか、物語の中の人もそれを見る人もひっくるめて一緒に知らない世界を旅してほしいのかもしれない。
だから不思議な風景を描くことや空想建築に自分が惹かれるんだろう。
そういうのを案内する仕事が実際あったら就きたいし。
さてキャッチコピーは何だろう?
『不思議空間のバスガイド的マンガ家』とかかなあ。
それか『現実に異世界フィルターをかけるマンガ家』ってのもいい。
『蜃気楼を物語の中に作るマンガ家』とかもかっこいい。
とにかく現実から着想してどこか遠くへ行きたいのだ。
これを言うと否定されるかもしれないけど、マンガは嘘なのがいいんだよ。そこに可能性を感じている。ホントから生まれる美しい嘘。こんなに素敵なことがあるだろうか。
ない!
この日記を書きながら考えたのでキャッチコピーはコロッと変わっちゃうかもしれないけど、暫定的に今はこれらとしておこう。
おわり